【書評レビュー】『教育のディープラーニング』が面白い!(オススメ本)
こんにちは!Aoneko( @blue_cats03)です。今回は『教育のディープラーニング 世界に関わり世界を変える』を読んだ感想とレビュー記事です。
『教育のディープラーニング-世界に関わり世界を変える-』読了。
「ディープラーニングのための新しい教育法(NPDL)」の理論と実践を学べる書籍です。
監訳者解説にて、京都大学の松下佳代教授の鋭い指摘とディープラーニングへの期待の記述が大変興味深かったです。https://t.co/CanXWEpLFn— Aoneko Lab (@blue_cats03) November 15, 2020
『教育のディープラーニング』の概要
『教育のディープラーニング』は、世界7カ国(オーストラリア、カナダ、フィンランド、オランダ、ニュージーランド、アメリカ、ウルグアイ)の約1,200校で実践されてきた「ディープラーニングのための新しい教育法(New Pedagogies for Deep Learning, NPDL)」の理論、実践、成果が体系的にまとめられた書籍です。なお、本書は以下の3部構成になっています。
第Ⅰ部:世界に関わり世界を変える
第Ⅱ部:生きた実験室
第Ⅲ部:不透明な未来
ディープラーニングとは?
『教育のディープラーニング』では、ディープラーニングのどこが「ディープ」なのかについて、以下のように解説しています。
- より多く学び達成するという自分と他者の期待を高めるためのプロセスを提供すること。
- 個性化と当事者性によって、学習への生徒の関与を深めること。
- 生徒を「現実世界」に関わらせること。現実世界には生徒自身の現実と文化アイデンティティが投影されることが多く、これは異文化出身の生徒にとって特に重要になりうる。
- 宗教的なものであるかどうかを問わず、大多数の住民が結びついている精神的価値に共感すること。
- 探究を通じてスキル、知識、自信、自己効力感を身につけること。
- 学習者、その家族、属するコミュニティ、教師との関係を新たに築くこと。
- 他者と関わって善いことをしたいという人間としての欲求を深めること。
引用: 『教育のディープラーニング』, ディープラーニングとは?, 24頁
6つのグローバル・コンピテンシー
『教育のディープラーニング』でいうディープラーニングは、「6つのグローバル・コンピテンシーを獲得するプロセス」と定義しています。
- キャラクター(人格)
- シティズンシップ(市民性)
- コラボレーション(協働)
- コミュニケーション(意思疎通)
- クリエイティビティ(創造性)
- クリティカルシンキング(批判的思考)
ウェルビーイング
『教育のディープラーニング』では、ウェルビーイングを増進するアプローチを4つの発達領域(認知的、身体的、社会的、情動的)に着目しており、ディープラーニングの活動と6つのグローバル・コンピテンシーは、これらの4つの発達領域に対応していると述べています。
教育実践
『教育のディープラーニング』では、教師が学習経験をデザインする際に選択できる豊富な選択肢の例を示しています(下図)。
NPDLのYouTubeチェンネル
NPDLの活動をYouTubeにて観ることができます。『教育のディープラーニング』の著者であるマイケル・フラン(Michael Fullan)らの理論を動画から学ぶことができます。
公式YouTubeアカウント: New Pedagogies for Deep Learning(NPDL)
『教育のディープラーニング』の原書
『教育のディープラーニング』の原書は、『Deep Learning: Engage the World Change the World』です。英語タイトルをそのまま訳せば『ディープラーニング』になりますが、AIの「ディープラーニング」の本と間違われないように、邦題は『教育のディープラーニング』になっております。
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