劇場版「名探偵コナン緋色の弾丸」赤井秀一が銀の銃弾を撃った理由

名探偵コナン赤井秀一＆安室透シークレットアーカイブス

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青山剛昌/トムス・エンタテインメント小学館 2016年11月24日頃

【銀の銃弾の特徴（比重・密度）】一般的には銀よりも鉛の弾丸が使われる

銀の比重・密度（10.49）は鉛の比重・密度（11.36）よりも軽いため、一般的な鉛の弾丸と比べて優れた殺傷力があるとは言えません。

あおねこ

一般的には重さのある鉛の弾丸が使われます。

鉛の弾丸よりも銀の弾丸を使用した理由は？

運動エネルギーの観点からみると、銃弾等の場合、弾頭素材の如何は初速にほとんど影響がないので、同じサイズ・同じ形状であれば、比重の重い方が運動エネルギーは強いことになります。

あおねこ

運動エネルギーの一般的な算出式は以下のとおりです。

$E_{k}={\begin{matrix}{\frac {1}{2}}\end{matrix}}mv^{2}$

この場合、鉛は銀よりも比重が重いため、単純に銀より運動エネルギーは強いことになります。したがって、運動エネルギーの側面から考えれば、銀の弾丸よりも一般的な鉛の弾丸に軍配が上がります。

あおねこ

運動エネルギーの側面だけみれば、鉛の弾丸を使うべきですね。

次に、エネルギー伝達効率(ストッピングパワー)の点から考察していきます。

これは弾頭が硬く尖るほど「貫通」しやすく、貫通しづらいほうが、対象に与えるダメージは大きいといえます。

例えば、針を目に見えないほど速い速度で当てても突き抜けるだけで、対象にダメージがほとんどありません。一方で、目に見える程度の速度でハンマーを当てると、高速の針と運動エネルギーが同じだったとしても、肉は損傷し骨などが砕けます。

銀の硬度(25)は、鉛の硬度(3.9)よりも硬いと言えます。そのため、リニアを貫通させることだけを目的（犯人へのダメージは低い）とするのであれば、銀の銃弾を使う理由がわかります。

あおねこ

銀の弾丸は比重が軽いため、銃口初速が増すので、命中率の向上などの効果をもたらす可能性もあると言えます。

なぜ赤井秀一は銀の銃弾を使ったのか？

先に解説した運動エネルギーの点から言えば、鉛の弾丸を使用すべきですが、赤井秀一は恐らく犯人に致命傷を負わすことは考えておらず、リニアを貫通させ、犯人を動けなくさせようと考えたのでしょう。

また、赤井秀一はシルバーブレット(Silver Bullet)と呼ばれるように、彼自身のキャラクターに掛け合わせて、この映画では銀の弾丸が採用されたと筆者は推測しております。

あおねこ

鉛よりも銀の銃弾の方がシンプルにかっこいいですよね。

図: 劇場版「名探偵コナン緋色の弾丸」赤井秀一とスナイパーライフル（銀の銃弾）, 引用: 【アニメ】名探偵コナン公式

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